はしもと人を発見!【2017.8月号】
仕事、板前。
趣味、波乗り。
和の食 みの原
店主 原 勝俊さん
趣味、波乗り。
ホームページの店主情報に記されている言葉だ。
何故、敢えての波乗りなのかと聞いてみると
「みんな波乗りって言うから」と笑顔で答えてくれたのは、みの原店主、原勝俊さん。
元々スノーボードを趣味としていたが、季節的な事や怪我などのリスクと、
板前という仕事の兼ね合いから友達に誘われ、サーフィンを始めたのがきっかけ。
サーフィンを始めて20年。最近では、休みの日には午前4時に九十九里の海に入り、
お昼の12時に帰宅、そして昼寝して夕方からまた出かけるという。
一見、ハードな過ごし方だと思われるが原さんは、仕事が一番大事なのは勿論だけど
仕事をしながら次の休みに向けて体調を整えるという。
「一生懸命仕事しないと遊びも楽しくないから一生懸命仕事をする。
一生懸命遊ばないともったいないよね」と、仕事がうまくいっていなければ、
趣味のサーフィンはつまらなくなるし、やらなくなると考えている。
ところで、海と和食の共通点はやはり魚?と思いきや、
原さんの話からは意外なキーワードがあった。
それは『自然』。そのもの本来のありのままの状態を表したり、
そのものに本来備わっている性質を表す言葉。
長いサーフィン歴の中で溺れそうになったり、流されたり、命からがら帰ってきた経験もある原さん。
「やっぱり、一般の人は自然の怖さを知らないんだなっていうのは凄く思うようになった」と話す。
サーフィンやスノーボード、山登りなど自然を相手にする事での危険とは即ち自然に対する知識不足。
原さんの仕事においても自然の脅威は存在する。
食材は時が経つにつれ傷むものだし、その保存方法は食材の『自然』を知識として持っていなければならない。
更には、食材の灰汁などいらない部分、味付けなどの足す部分を考える上でも
その食材の自然という知識は必須になってくる。
『自然』と対峙し、『自然』の道理を知る哲学がそこにはあった。
「自然が絶対だからね。それを変えようという方がおかしい話」と
ネイチャーに対する自然と、
「和食の場合、余計なことはしない。勝手に美味しくなるから余計なことはするなと教わった」と
板前としての『自然』に対応する技術を大切にしていた。
そんな、原さんの自然哲学は、
体調を整えて挑んでいる波乗りをしている海よりも深いのかもしれない。
byまー/写真:YOKO
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