はしもと人を発見!【2018.6月号】

一度は消えた御神輿の渡御。ようやくここまで来た

お伊勢の杜神輿保存会
神輿保存会世話人 二代目代表
加藤 定男さん
神輿保存会世話人 初代代表
八木 時雄さん

昭和30年代後半、お酒がかなり入った担ぎ手達がその重さゆえ担ぎきれなくなり、現在の俵万智さんの歌碑付近に御神輿を置き去りにしてしまうという事があった。
それから約30年もの間、橋本には神様がお神輿に乗って街を見回る渡御(とぎょ)が無かった。

この間に失われたもの。

地域への帰属意識、橋本がひとつになること、そしてかつての祭りの姿。

これらを取り戻そうと「お伊勢の杜神輿保存会 担ぎ手の会」の八木 時雄さんと加藤 定男さんが奮闘している。

「お祭りやお神輿を通して、ここに住んでいる人に、自分が住む街・橋本という地元意識を高めたい」と八木さんは話す。

しかし、一度途絶えた景色の復活は容易ではない。

「今は、昔を知らない、祭りを知らない、渡御を知らない人が多くなってきている」と加藤さんは難しさを話すが、代表のお二人の他、様々な人の地道な活動は周りの人の心を動かし、かつての神明神社の呼称を使った「お伊勢の杜神輿保存会」の発足やその下部組織「担ぎ手の会」を発足、さらには、なくなっていた渡御を橋本幼稚園横から南進し大通りを経て神社への道のりを担ぐまでに復活させた。

とはいえ、担ぎ手の人数の問題から渡御コースの大半をトラックで回り、夕方には終わってしまう神社のお祭りに八木さんと加藤さんは満足していない。

〝橋本の外からも人が来るお祭りを目指している〞

子供が故郷に帰って来た時に、神社の祭りを盛大にできていれば良いと思う。
故郷のお祭りが一番寂しいって、子供に味合わせたくないよね」と加藤さん。

神明大神宮の例大祭を行う神社。
渡御を請け負う自治会と自治会連合。
それぞれが例大祭の意を知り、今のやり方が当たり前ではないという意識改革をしながら、かつてのおおいに盛り上がる祭り、地域のみなさんが楽しめる祭りを実現させようとしている。

八木さんは「昔に比べ、小学校や中学校の学区が細分化しているからこそ、祭りが〝橋本〞へ帰属意識をもつきっかけになればね」「自治会みんなが、地元の神社を盛り上げるという共通した気持ちを持てるようなお祭りにしたいですね」と話す。

神輿を担ぐには自治会への加入が必須。自治会に入れば各自治会の御神輿はもちろん、本神輿も担げて、半纏の着用もできる。
祭りに参加することで自分の住む街・橋本を実感し昔のような活気溢れる祭り復活の一翼を担ってみてはいかがだろうか。

byまー

【橋本人を発見!街の人の心意気を見た】
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