はしもと人を発見!【2018.2月号】

ゼロからのスタートに見た 感動の連鎖

オペラ歌手
銀河の歌姫 倉原 佳子さん


お寺でアヴェマリアを歌う。
他国の国家的行事で日本人がその国の国歌を歌う。

そんな事が可能なの?
という事を実際に行ってきた人が東橋本にやってきた。
オペラ歌手、銀河の歌姫 倉原 佳子さん。

倉原さんは高校生の時に見たジョイントコンサートで
オペラやミュージカルに感銘を受け、東京芸大声楽科を卒業後、
オペラ発祥の地、イタリアへ渡欧。
その後スキーW杯でのイタリア国歌斉唱など
華々しい活躍をみせていた。


しかし、そんな倉原さんにある不幸が訪れていた。

「私はDV の犠牲者です」

様々な暴力で体力的、精神的に四面楚歌に追い込まれ、
生活基盤までも失っていったと話す。

味方のいない絶望感の中、目にしたのが
東日本大震災に襲われた日本の姿だった。

「その時にショックを受けて何かをしたいと思って」
と始めたのがトランク一つで、プロの手を介さない手作りコンサートを
渡り歩く世界行脚だった。

その中で倉原さんが見つけたもの。
それが、今まで培ってきた歌声だった。

自分の叫びでもあったアヴェマリアを歌う事で
人々の感動が見えた。
「私の歌で?こんな何もない私だよ?ボロボロだよ? 」
そのギャップに戸惑いながらも自分の歌という祈りが
人の役に立っている事を発見する行脚でもあったと話す。

倉原さんの歌に感動した人達は、自分達の手作りコンサートに倉原さんを呼び、
そこで感動した人がまた…
という具合に感動の連鎖が始まった。

そんな中、エルサレムでの国家的行事で橋本の人との縁があり、
たどり着いたのが橋本。
ゼロからのリスタートで初めて出来た生活や活動の拠点だった。
「歩いて行ける映画館があったのは嬉しかった」「山が見えるのはホッとする」
と、住んで間もないながらも感想を教えてくれた。

そんな倉原さんは橋本へたどり着いた経緯や、
これまでの体験を振り返り
「私は歌い手ですから宗教も国も関係なく色々な所で歌います」と話す。

その実績は話す通り、イスラエルでヘブライ語の歌を歌い、
イタリアではアヴェマリア、
靖国神社で君が代を歌う。

まさにボーダーレス。

そのボーダーレスは知らずに作り上げてきた
既成概念や固定概念にまで及ぶ。
それらから解放された時に得るホッとした気持ちを
知ってもらう火付け役だと倉原さんは自身を語る。

「銀河の 歌姫 倉原 佳子」と言われる倉原さん。
ボーダーレスという概念すら取り払うその歌声は、
ここ橋本から音霊として世界へ響く。

byまー/写真:長谷川 敏雄


↓取材時に歌って頂いた動画です↓

 

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