はしもと人を発見!【2017.10月号】

〜祭りの華はお囃子!
長き伝統の繋ぎ手〜

橋本囃子保存会: 柚木 忠治さん・押田 和夫さん・比留間 三千三さん・松浦 猛さん

 


お囃子には楽譜がなく、楽曲や技術は、その地域で口伝で受け継がれている。
江戸後期には現在の形になっていただろうと言われる橋本のお囃子も
口伝により橋本独自のお囃子となり、現在も祭りなどで奏でられている。

橋本の山車(明治21年製造)

そんなお囃子を継承し、次世代に繋げる『橋本囃子保存会』
今回はそのメンバー、
松浦 猛さん、押田 和夫さん、比留間 三千三さん、柚木 忠治さんの
四人に話を聞いた。

押田さんは「思い通りに叩けるまで十年はかかったかな」
「まだ昔の人には追いついていないな」とその奥深さを、
柚木さんは「初めて山車で叩いた時は、殿様気分だった。
最高。あれを味わうとやめられない」と醍醐味を教えてくれた。

太鼓が上手だと踊っている時も手が勝手に動いてくるんだよな」と
比留間さんが言うと、柚木さんも「笛も太鼓が上手だと
自分で知らない間にお囃子に吸い込まれていく」と
見ているだけでは分からない世界を教えてくれた。

「太鼓、笛、摺がねの五人が一つの音楽として合わせようとしているから
お互いに吸い込まれていく。それがお祭りを盛り上げるし、
まとまらないと我々もお客さんも楽しめない」と松浦さんは話す。

そして、お囃子に欠かせないのが踊り。
比留間さんは「囃子もね、叩く曲が10曲あるんです」
「おかめやひょっとこと、お獅子や狐が踊る曲は違うんですよ」と話す。

橋本囃子保存会のお面

押田さんは「数百年前、橋本の人々が楽しんでいた
お囃子を今の人も楽しめる。そのタイムスリップ感が面白い」と
お囃子の魅力に触れた。

そんな橋本のお囃子は、長い歴史の中で祭りを盛り上げてきた。

かつては年に2回、夜まで盛大に行われていた橋本の祭りも、
今では年に1回、夕方には終わってしまう祭りになってしまった。

時代とともに橋本の祭りは衰退。
お囃子もこの影響を受ける事となる。

 

練習風景

「今困っているのは後継者がなかなか入ってこない」と松浦さんは話す。
橋本囃子保存会では、これまでに、
小学校や子供会に教えに行ったり、ふるさと祭りでは
山車に自治会の子供達を乗せて叩かせたりと、
未来へ繋ぐ試みも行っている。

勿論、常にメンバーは募集しており、練習見学も出来る。
保存会の組織そのものと、技術を教えられる、時を繋ぐ、
橋本の伝統文化の継承者を育て続けている。

再び橋本に良き時代の祭りが戻ってくる事を願いながら

 

byまー/写真:YOKO

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